Camera&LensReview

Sorry Japanese only so far. Camera and lens review from photographer's viewpoint.

Leica M10-P レビュー

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イカM10-P Review ブログ

 

流れるようにリプレース
M10を発売日に購入してから1年半、思えばあちこちにM10と旅をし・・・ていない。なんかM10完成度高すぎで逆に数少ない欠点であるシャッター音の甲高さと赤マークのデカさが気になってしまい、ついついQに手がのびてしまう現象が続いていた。うーん、もう自分はM型ライカ引退なのかなぁ、売却して静かなSLに移行なのかなぁSLダサいけど、などと思い悩んでいるとまさかの静音シャッターM10-P登場。気がつけば極めてスムースにリプレース完了。

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Leica M10-P, Summaron 28mm

 

変更点について
シャッターの静かさはすでにあちこちで語られている通り。実際Qよりも静か。以前のレビューで記した音の体感比較にM10-Pを追加するとこんな感じ。

M9 >> D810 = M3 > M10 >> Q > M10-P

Qも十分静かなんだけどレンズシャッターが少し高音のため響いてしまう。M10-Pの方がマイルドで気にならない音。この音だけで十分買い替え理由になると思います。
この他の機能的な変更点は液晶タッチパネル化と水準器。タッチパネルは不要との意見が多いけど、僕はQでもピント確認の際に多用してるので大変ありがたい。水準器も広角での風景撮影の際によく使うのでこれまたありがたいです。
このように、今回のP化は以前のようなコスメティックな変更でなく、機能進化なので躊躇せずに乗り換え可能。おそろしや。

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Leica M10-P, Summilux 35mm ASPH FLE

 

存在感
以前にも書いたがM10では買った後のおイジりを楽しめなかった。大好きなM3と同じシルバーを買ってしまったのが余計にまずかったのだろう。並べてみるとM10のあの大きな赤マークが気になって仕方なかった。
一方M3にそっくりなM10-Pは見ているだけで酒の肴になる。M3と比べると細部はやはり21世紀。M10-Pの方がシンプルでモダンな感じがする。が、基本デザインはほぼ共通で、これぞ正常進化という感じ。初号機と最新期の組み合わせてテーブルに置くと、まるで博物館の展示物のような存在感だ

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ISOリングについて
ここまでそっくりな二台を並べるとついついコンビで連れ出したくなり、久々にフィルム&デジタルコンビにて出撃。厚みがほぼ一緒なので持ち替えても違和感まったくなし。それでもって、フィルム機で久々のフルマニュアル撮影したんだけど、これが実に気持ちいい。ちょっとしたフレーミングの違いでぴょんぴょん露出が跳ねることがないんで、撮影に集中できる。気がつけばM10-Pでもマニュアル露出で撮影。このときに大活躍したのがISOダイアル。高感度の厳しいM9と違って、M10だとISOオートを多用できるので、正直ISOリングはあまり使えていなかった。ところがフルマニュアル撮影だとISOリング大活躍。とても心地良い。ああ、これがライカ本来のUXだよね。
M型ライカでISOオートを使ってもファインダーにISO値が表示されない。なので露出補正はISOを手動で変えるのではなくリアダイアルで露出補正して行うことになる。こいつは正直使いにくい。露出補正されているかどうかも確認しづらく、気づかないうちに補正入れっぱなしになってしまったり。やっぱ露出補正はISO固定して絞りかシャッターダイアルで行うのが王道。そうなるとこのISOダイアルの存在は神。やっぱライカは余計な機能が無い分、本質的な操作については考え抜かれていると思った。そう思った瞬間、邪道とも思えたあのM10-Dの背中が一瞬見えてしまった。おそろしや。

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Leica M10-P, CONTAX Planar 85mm f1.4

 

デジタルライカの完成形
とりあえず半年弱使ってみて思うのは、M10-Pはデジタルライカの一旦の完成形だということ。M型ライカユーザーの主なフラストレーションはほぼ取り除かれている。残されたボディー側の問題はビゾフレックスの性能くらいか。
センサー技術としてはここからさらにダイナミックレンジも高感度特性も画素数も伸びるだろう。でも、最終成果物をプリントだとした場合、M10-Pが使えない時代遅れ機になることは当分無さそうに思う。高感度さえ目をつぶればM9だって十分現役なわけだし。

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Leica M10-P, Summaron 28mm

 

まとめ
デジタルものでここまで満足&感銘できたのはM9以来。今までは非PからPへのリプレースなんて馬鹿げてると思っていましたが、Pの世界に飛び込んで大正解でした。ただし、Dの背中が見えてしまったことには正直震えていますw さすがに行かないとは思いますが。