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Camera&LensReview

Sorry Japanese only so far. Camera and lens review from photographer's viewpoint.

Leica M9 長期使用レビュー

カメラレビュー

ライカ M9 長期使用reviewブログ

ライカM9を導入して2年半経過しました。Photokinaでついに新世代のLeica Mが発表され今更という感じもしますが、あえて今だからこそこの2年半を振り返り、長くたくさん使って感じたM9のインプレッションをまとめてみたいと思います。新しいMをどうするか自分で考える材料にもするためにも...。

 

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Leica M9, Summicron 50mm

 

この2年半、M9以外にもいろいろなカメラを使ったけど、結局振り返ってみると僕のメイン機材はずっとM9だった。X100やRX100などのひと回り小型なハイテク機を導入した時はM9の出番が減るかと思ったけど、結局はすぐに飽きてM9に戻ってしまう。理由はだいたい以下の通り。

1.素晴らしいレンズ達

2.画質の良さ

3.使い易さ

4.いじる楽しさ

5.がんばれる大きさ

6.Heritage

それぞれについて書いてみる。

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Leica M9, Noctilux f1.0

 

1.素晴らしいレンズ達

今はミラーレスを含め、レンズ交換を楽しめるカメラが乱立している楽しい時代だけど、間違いなくライカMシステムが最も個性に富んだシステムだろう。スタンダードなSummicronの35mm, 50mmでさえ伝説的な描写で中毒患者多数。上級のSummiluxは35mmも50mmもそれぞれ世界最高性能の誉れが高い。さらには圧倒的に濃厚で個性的なNoctilux。いわゆる標準レンズを取り上げただけでも語り出せば止まらない。実際に使って撮ってみると本当にどれもが個性的。決まったショットはそれこそ写真に吸い込まれてしまいそうな描写だ。一度撮影に出ると、ひとつは描写に見とれてしまうショットがある。これを経験してしまうとどんなに使いやすくて暗い所での性能が高くても、結局はMシステムに戻ってきてしまう。普通の良さじゃ物足りないのだ。そしてこのレンズの個性を活かすにはセンサーの解像度が重要だ。

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Leica M9, Summlux 21mm ASPH

 

2.画質の良さ

M9の解像度は35mmサイズでは世界最高クラスを維持してきた。D800Eという化け物が出てきててしまい、No1タイというポジションからは一歩後退だけど、それでも依然ローパスレスフルサイズセンサーの解像感はすばらしい。高感度性能はCMOSセンサーにはかなわないけど、それでも銀塩に比べたらずっといい。単焦点の明るいレンズを使って光をたっぷり拾うので、実際の撮影ではISO160のベース感度での撮影が多い。この、カメラにとって最高性能を発揮できる条件で他の高級コンデジと比べてしまうと、やはりM9は一歩抜きん出ている。いいショットを見るたびにがんばってM9持って来て良かったと思うのだ。そしていいショットを外さないためにも、大切なのは操作性だ。

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Leica M9, Summicron 50mm

 

3.使い易さ

いろいろデジカメ使ってみた結論だけど、結局自分にとっては絞りリング、シャッターダイアル、フォーカスリングの3つを回してカメラをコントロールするのが一番使い易い。結局数値入力は専用物理ダイアルにかなうものがない。フォーカシングについてはいろいろなやり方があるけど、普段広角を使うようになってから目測で被写界深度使ったフォーカスを多用するようになった。これが一番気楽で速射性にも優れている。AFが迷ってシャッターチャンス逃すこともない。何より、フォーカスポイント探してそこにフォーカスフレームを持ってきてシャッター半押しという儀式がいらない。これは思った以上に快適で、撮ろうと思った次の瞬間にはフレーミングとシャッターチャンスに集中できるのだ。最新のプロ用一眼レフはフォーカシングのプロセスをいかに縮めるかに技術の粋を集めている。でも、目測フォーカスでパンフォーカス使うと、フォーカシングプロセスがゼロになる。短縮ではなくゼロだ。もちろん、目測で対応できる条件は限られている。でも、日常の多くで対応できる。いつでもどこでも最適を目指す大型プロ用一眼レフもいいけど、自分の場合、結局快適度の平均値が最強なのはM型ライカのマニュアルフォーカスだった。そして、マニュアルフォーカスが不得意なX100やRX100にはどうしても使いにくさを感じてしまう。で、結局、いつもいじりまわして遊ぶのはM9だ。

 

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Leica M9, Noctilux f1.0

 

4.いじる楽しさ

M9は外装の機械的な工作精度が高い。電子制御全盛のこの時代、外装の工作精度など写りにはあまり関係なく、そこにコストをかけるのは合理性が無いのだけど、でも、おそらくマーケティング的な観点から未だに精度を落としていない。X100もRX100もよくできたカメラだけど、手間は中身にかけられていて、残念ながら外装のレベルはM9にかなわない。それは、実物を手に取ると如実に分かる。悲しいほど如実に分かる。そして、工作精度の低いX100やRX100には残念ながら物としての愛着が湧きにくい。仕事で海外に行った時、夜、寝る前にいじって遊ぶのはやはりライカだ。こどもじみているけど、でも、こういうオモチャで遊ぶ時間は、インスピレーション磨くのに大事なことだと信じている。なので多少大きくてもがんばってLeicaを持って行ってしまう。

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Leica M9, Nokton classic 35mm f1.4 MC

 

5.がんばれる大きさ

実際、M9は十分小さい。X100を持っていける余裕があればまず間違いなくM9も収まる。確かにRX100よりは大きいけど、でも、バッグを持って旅に出る限りM9はパッキング可能だ。現行のLeica純正でのM9最小構成はM9 + Elmarit 28mmだ。全長3cmの小さなレンズを付けたM9は十分に小さい。実際は、ほとんどの場合、最高性能のレンズを複数本持っていける。これがLeica Mシステムの魔力だ。NikonCanonの場合、最高性能のレンズに最高性能のボディを組み合わせると重さ数キロの巨大な塊になる。最高性能のレンズを複数本持ってゆけば5キロ越えの世界だ。加えて充電器が巨大で、充電器だけでM9 + Elmarit 28mmと同じくらいの大きさだ。正直、撮影中心の旅でなければ不可能だ。Leica Mシステムは違う。Leicaレンズの中でも重量級のNoctilux f1.0、Summilux 21mm、Summilux 75mmを3本まとめても2キロ行かない。結果、いいレンズでの写真が増える。心に刺さるショットが蓄積されてゆく。

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Leica M9, Elmarit 28mm ASPH

 

6.Heritage

Heritageと言っても別にleicaブランドの伝統のことではない。僕はこの2年半で、これで機材コストの元は取れたと思えるような個人的な写真を何枚か撮ることができた。それは僕にとって永遠のショットとしていつまでも残るHeritageだ。そして、その永遠のショットはみなLeica Mシステムで撮ったものだ。だからLeica Mシステムは僕にとって特別なものだ。Mシステムとそれを創ってきた人々みんなに感謝したい。

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Leica M9, Summilux 35mm ASPH FLE

 

なんだか抽象的な話になってきたので、その他、細かいポイントで気に入っているところを書き出すと、

レンジファインダーは暗い所でもフォーカスし易い
・今や貴重な被写界深度表示が使い易い
・シャッターボタンと同軸のスイッチが使い易い
・背面のボタン配列がシンプルで醜くない
・充電器が小さい

という感じ。一方改善を期待したい点は、

・背面液晶が今やクオリティー悪すぎ
・高感度特性を改善して欲しい
・シャッター音はまあいいが、チャージ音が大き過ぎ
・できればライブビュー&動画使いたい
・バッテリーがもう少し持ってくれると安心

と、まあ、ことごとく新型のLeica Mで改善されているポイントばかり。非常に正しい進化ですね。この進化と100g増量のトレードオフをどう考えるかですね。あとM-Eについてはどうせ変更かけるなら液晶の品質上げて欲しかった。シャッターチャージが静かになったのはすばらしいです。

(Sep 19, 2012 執筆)