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Camera&LensReview

Sorry Japanese only so far. Camera and lens review from photographer's viewpoint.

Elmarit 28mm f2.8 ASPH レビュー

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エルマリート28mm f2.8 ASPH reviewブログ

 

はじめに

昔書いたレビュー記事をはてなに引っ越しさせてます。カメラについては時代背景もあるので昔のまま、レンズについては再編集してお届けします。

 

プロローグ

ライカ導入直後に50mmレンズを入手し、その後に脈絡なく広角レンズを数本買い漁った後、ふと我に帰る。これは沼だ!落ち着いてシステマチックに必要なレンズを考え抜いた結果、Elmarit 28mm ASPHを購入。2010年のことだ。よってこのレビューは2016年にリニューアルされる前の11606についてのレビューになります。

 

28mmレンズ好き

28mmは自分にとって初めての広角レンズで、ずいぶん長い間、広角は28mm一本で対応していた。50mm好きの僕にとって35mmは中途半端で、かといって24mm以下の強い遠近効果は好きになれず、目の前そのままが切り取れる28mmが好きだった。しかし、一眼レフ用の28mmはレンズ設計の難しさもあり、どれも似たようなもの。個性を求めるものでもなく、好きだったにもかかわらず、だいたいスタンダードなものを一つ持っているだけだった。

ところがMシステムは広角に強い。今では28mmだけで4種類も出ている。当時はライカ純正の28mmはSummicronとElmaritの二種類だけだったが、社外品にはコンタックスGシステムで伝説になったBiogonなどもあり、選択が悩ましくて嬉しかった。結局、まずは王道のライカレンズ、しかもカバンにいつでも収納できる小型レンズが欲しかったためElmarit 28mmに決定。

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Leica M9, Elmarit 28mm f2.8 ASPH (11606)

 

凄まじい写り

撮影した画像はM9のプアーな液晶で見ても明らかに強烈だった。

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Leica M9, Elmarit 28mm f2.8 ASPH (11606)

 

なんというリアルさ!

評判通りシャープで硬い。いわゆる線が太いというのはこういうことだというのがよく分かる写りだ。5Bの鉛筆で力強く描いたようなデッサンと言ったらよいだろうか。人の肌とか撮った場合、なまめかしさよりリアルさが前に出てしまうかも。逆にシャープさを生かして風景とると、ぱっきり映る。ふんわりしたものでなく、凛とした雰囲気のものの方が被写体として向いている気がする。

こういう強烈な個性を持った28mmレンズは、日本製の一眼レフ用レンズでは体験したことがなかった。そもそも種類も少なく、設計も古いままのものが多かった上に、用途も多様なのであまり個性を狙うような設計もできないのだろう。マニアックな人たちに向けた強い個性を持つライカという製品の面白さを、このレンズは僕に教えてくれた。

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Leica M9, Elmarit 28mm f2.8 ASPH (11606)

 

では、さっそく描写を詳しく見てみましょう。

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適当に撮った公園の植物ですが、エッジ立っているのに、みずみずしさも表現できていて、好きな描写。まさにLeica ASPHの描写です。でもって、ピンの来ている部分を100% cropすると、

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こんな具合に、開放からリアルな描写。表面の感じが現実のまま目の前に再現されるような写り方。傾向としてはSummicron 50mmに近い気がする。この2本はどちらもコンパクトだし、いいコンビネーションだと思う。

ちなみにこのレンズ、開放だと周辺が若干甘いです。絞ると改善されますが。MTF見てもその傾向。リニューアルされた11677もMTFで見るとあまり大きな変化は無さそう。海外サイトのサンプル見ても、SLでは大きく改善してますが、M240だとたいして違わず。一旦リニューアルは見送ってます。開放で隅まで解像させたい場合はSummicronですね。ちょっと大きく重くなりますが。(Summicron28の新旧比較はこちら参照 http://www.slack.co.uk/leica-m-resolution.html)。

 

コンパクト

外観はコンパクト。さすがM型Leica現代レンズで最小最軽量。全長は30mmで、フード無しだと常用で鞄に放り込むのに気にならない厚さ。絞りやフォーカスリングも薄いけど他のLeicaレンズと同じ感触でグッド。フードはプラスチック製で、質感の評判はよくないけど、軽量だし、これはこれでよいのでは(リニューアルされた11677では金属フードに変更)。気に入ったのはフード外したとき用のレンズキャップ。これ、軽金属製でLeicaの彫り込みがあり、さらに内側にはフェルトが張ってあって、非常にかっこいい。おもわずSummicron 50mmにも付けてみたんだけど、残念ながら装着不能。 

コンパクトということは機動性が高いということ。M9に薄いElmarit28をつければ、当時は完全に世界最小のフルサイズデジカメ。このレンズとともに世界中を回りました。どこにゆくにも気軽にカバンに放り込んだり、肩にかけたり、ストラップ巻いて片手持ちしたり、異国の街の放浪には最適なパートナーでした。

F8に絞り込んで、なめらかなフォーカスリングを回してピント指標を3mに合わせればピント合わせ不要(この基本動作すら、今のAFレンズでは難しい)。そのまま街を放浪し、気に入ったシーンがあればレンズ向けてパシャリ。AFでのピント合わせが不要なのでタイムラグゼロ。これはクセになる。しかも明るいレンジファインダーレイテンシーもブラックアウトもゼロ。完全に街に溶け込みながら撮り歩く快感。

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 Leica M9, Elmarit 28mm f2.8 ASPH (11606)

 

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 Leica M9, Elmarit 28mm f2.8 ASPH (11606)

 

まとめ

Elmarit 28mm f2.8 ASPHは、小さい・高性能・広角という、まさにライカらしいレンズ。解像した部分の凄まじい写りは癖になる。開放での周辺部での甘さが欠点といえば欠点だが、そこを解像させたい場合は絞ればOK。コンパクトで似たような切れ味ある写りのSummicron 50mmとの組み合わせでこれからも世界中を回ります。